かんぽ生命問題を解説します【皆が騒ぐ理由】
最近テレビでやってるかんぽ生命の問題って何?
自浄作用のない企業の膿が傷口からわいてるんや
ということで今回はかんぽ生命問題について解説したいと思います。
事件のあらまし
事の発端は、2019年3月
郵便局員が保険営業の際に違法な方法で営業を行っていることが明らかになった。
- 認知症の高齢者に保険の内容を説明しないままに契約を結ばせたり
- 虚偽の内容を記した資料を示して契約を結んだり
といった郵便局員の保険業法違反に当たる営業行為が68件発覚し、監督官庁の金融庁に届け出ていたことが関係者への取材で分かった。"西日本新聞"より引用
つまりお年寄りをだまして不利な契約をさせてたったこと?許せないね。
これだけやない。調べてみたらどんどんでてきたんや
- 月収13万円の女性に毎月25万円の保険を加入させる
- 自らの営業目標のため契約者に不利な乗り換えをさせる
- 「局員に『帰ってほしい』と言ったのに4時間も居座られた」
- 保険の乗り換え時に虚偽の営業をして顧客に保険料を2重に払わせる(2万件以上)
- 90歳の女性のもとを,合計27人の販売員が入れ代わり立ち代わり訪れ,10年間で54件の保険契約を締結させた
などなど、顧客が不利になるような契約が過去5年間で15万件以上あることが分かった。
これを受けて2019/12/27に金融庁が「かんぽ生命」と「日本郵便」に3か月間一部業務停止命令をし、新規の保険販売を3か月間できなくした。
いやいや業務停止とかのレベルじゃないよ、詐欺じゃん!ただの詐欺師集団じゃん!
実際詐欺として刑事罰が下るかもしれん
販売員が,契約者に対して,虚偽のことを告げ、または,保険契約の契約条項のうち重要な事項を告げないでする勧誘行為は,保険業法300条1号に反することになります。
この場合,販売員には,1年以下の懲役もしくは100円以下の罰金,またはこれを併科という刑事罰があります。あおい法律事務所ブログより引用
地域地域の郵便局員はお年寄りから絶大な信頼をおかれとる。その信頼につけこんでお年寄りをだますなんてなおさら質が悪い。
事件の根本原因は何か?
この事件後になって考えてみれば起こるべくして起こった事件といえる
日本郵便の背景
- 上場するために無理にでも収益を上げるなければならない
- 郵便業務の赤字を保険販売業務で補っていた
- 元公務員だったため収益を上げるために何をしていいかわからず、販売員に過大ノルマを課すしか思い浮かばなかった。
- 企業そのもののガバナンスがダメダメだった。
かんぽ生命の背景
- 株式会社になったため利益を追求する必要があった
- 生命保険業務の収益が低迷し苦しい状況にあった
- 元公務員だったため収益を上げるために何をしていいかわからなかった
- 企業そのもののガバナンスがダメダメだった。
どっちも似たような感じだね
順番に見ていこう
1. ではどちらの会社も民営化で、収益を上げる必要に迫られていた
2. ただどっちも従来業務では苦しい状況にあった。そんななか郵便で保険の営業は順調に収益を上げていた。
3. 日本郵便は収益を上げるために、過度なノルマを販売員に課すという安易な方法に走った。かんぽ生命も明らかに変な契約になっていることに気づいていたが収益のため見て見ぬふりをした。
4. 企業ガバナンスが最低だったため、日本郵便の販売員が違法な契約手段に走った。かんぽ生命は日本郵便が違法な営業をしていないか監視する立場に本来あるがそれを怠った。
年賀状の自爆営業を放置するような企業が保険なんて売ったらこうなるのは当たり前に思えるな
販売員が悪いの?
どう考えても違法な販売をした販売員は悪い。許されることではない。
ただ、過度なノルマで詰められたりとカワイソウなのも確かや
- 「朝礼など他の社員がいる場でののしられ、その場で泣きだす女性社員もいた」
- 「土日休んで平気だったのかと詰問された」
- 「部長から職場全員の前で謝罪させられ、精神的に追い詰められた」
- 「(好成績の)不適切販売は黙認され、局長は問題行為に気付いても注意できなかった」
- 販売成績の優秀な郵便局員に対して「社内接待」
えっなにこれ?ブラック過ぎ・・・しかもノルマ達成者に「社内接待」って・・・
ただでさえ給料安いのに、ノルマ達成できなきゃ評価が下がる。自爆営業もある。地獄や
経営者や管理職が悪いの?
どう考えてもこいつらも悪い。下手したら販売員よりも悪質かもしれん。
経営者・管理職としてやるべきことが全くできていない。
- 健全に収益を上げるための体制を考えるのは経営者の仕事。それができていない。
- 会社のガバナンスが最悪な状態のまま放置。
- 過度なノルマを課し、平然とパワハラを行う。
- 違法な営業が行われていると知りつつ放置。
- その結果、株価が大幅下落。株主(半数は国が保有)に5000億以上の損失を与える。←new!!
1.2. は無能の証 3.4.5.は悪質の証
これをみると、販売員が刑事罰を受けて経営者が辞めるだけって納得いかないね
しかも経営陣は当初トカゲのしっぽ切りで逃げ切ろうとしてたんや
経営責任について日本郵政の長門正貢、かんぽ生命の植平光彦、日本郵便の横山邦男の3社長は「認識が甘かった」と釈明し、問題の重大さを認識したのは6月になってからと責任逃れに終始している。かんぽ保険の不正販売については昨年5月の郵政民営化委員会の会議でも取り上げられていた。「認識が甘かった」では済まされない。西日本新聞より引用
結論
この事件は結局のところ、販売員をクビにして解決する問題でもなければ、経営者が変わればどうなるという問題でもない。
自浄作用が働いていない企業体質が根っこにある。
現にこれだけ問題になってもノルマやパワハラはなくなっていない。
2007年10月1日に郵政民営化が始まって12年以上たってこの体たらく。
内部から変われないなら、外部から声をあげるしかない。
郵政の株を国が大量保有している以上、国民の我々も声をあげる必要がある。
というわけでシェアやツイートで拡散していただけると幸いです。